2012/12/31

思い広がる海の玄関──日の出〜竹芝

【東京都】──「ベイエリアウォーク ⑬」 ゆりかもめを歩く:日の出〜竹芝
2012.12.31にアップしました。

 竹芝桟橋で「おがさわら丸」を見かけますが(停泊地に向かう姿)、現在も八丈島航路より小さな船らしい。
 時刻表によると所要時間は26時間程度で、片道でサラリーマン3日分の労働時間となるも、父島ではクルー交代ができないので、休息のため父島で2日間休みます。
 それを積み重ねると1週間に1往復しかできませんから、採算はとても考えられないため、運営側に使命感はあっても、船のサイズは「最小限」となってしまいます…… 
 不便な面ばかり書きましたが、そんな土地だから感じられるよろこび・楽しみは必ずありますから「生涯一度は小笠原の旅」を是非オススメします!(世界遺産ですもの)

2012/12/24

運河のある町に一年──芝浦ふ頭〜日の出

【東京都】──「ベイエリアウォーク ⑫」 ゆりかもめを歩く:お台場海浜公園〜芝浦ふ頭
2012.12.24 にアップしました。

 12月で「運河のある町」に引越して一年となりました。
 運河を満たす海水は決して澄んではいませんが、「悪臭」のイメージもほとんど気にならならないので、自然とベイエリア方面に足が向きます。
 以前暮らした近所の多摩川河川敷も空が広く気持ちよかったものの、ドブ臭さは川の方が強かった印象があります。
 物価は高く、スーパーも少ないので暮らしやすいとは思えませんが、交通の便利さだけは実感できます。
 海好きとして、東京湾や運河も海と拡大解釈? できれば、人の往来が多い地域でも「より所」を実感できるようなので、精神的には落ち着けるような気がしています……

2012/12/17

虹をわたる心地よさ──レインボーブリッジ

【東京都】──「ベイエリアウォーク ⑪」 ゆりかもめを歩く:お台場海浜公園〜芝浦ふ頭
2012.12.17 にアップしました。

 お台場海浜公園はスルーしてレインボーブリッジを目指すはずでしたが、にぎわいに誘われました。
  砂浜にはビーチバレーコートが何面も設置され「第21回お台場ビーチバレー(2人制ファイナル)」が開かれています。
  プロと違い「草ビーチバレー」では、時折見られるナイスプレーに歓声が上がる程度ですが、砂まみれでのハツラツとしたプレーには、見る側にも力の入る場面があります。。
 男女ともギャラリーの少なさは季節柄に違いありません。
 やはりこのスポーツは、夏じゃないと盛り上がりませんよね……

2012/12/10

現代人が求める暮らし──台場〜お台場海浜公園

【東京都】──「ベイエリアウォーク ⑩」 ゆりかもめを歩く:台場〜お台場海浜公園
2012.12.10 にアップしました。

 おだいばビーチはペットと走れますし、シャワー施設があるので冬でもウインドサーフィンが可能な砂浜です。
 お台場海浜公園付近には「シーリアお台場」という公共住宅が立ち並ぶ一画があります。いまどきの新しい町がどこも同じ様に、高層住宅に、スーパー、コンビニ、コーヒーチェーン店、ドラッグストア、広く見せようと広場を大きくとった公園、がセットであります。
 「それだけじゃ困る!」の文句はあっても、とりあえず必要なサービスはあるので、生活できちゃったりします。
 現代人が求める暮らしって、そんなもんなのかも知れません。
 きっと住人は「それは我慢できる」とした上で、ここでしか手に入らない充実感を堪能しているのでしょう……

2012/12/03

巨大堤防に囲まれる出島──船の科学館〜台場

【東京都】──「ベイエリアウォーク ⑨」 ゆりかもめを歩く:船の科学館〜台場
2012.12.3 にアップしました。

 台場地区では高層の建造物があっても空き地があるので、少し離れれば「空の広さ」を取り戻せます。
 しかし、いくら「ゆとり」を宣伝しても、都市計画にそんなゆるさを盛り込むことはできません。
 計画が未達成で、土地利用が「スカスカ」であることを実感するのは、本土側の山並みのような高層ビル群を目にし、現実に引き戻される瞬間です。
 本土側に暮らすわれわれには、巨大な防風林(堤防?)に囲まれ見晴らし、風通しが悪くなる印象がありますが、出島側に暮らす人たちには、本土側の門が閉ざされる印象を受けるのではあるまいか?
 また、ビル群が巨大堤防として機能し波を押し返したら、ここだけ大津波にさらわれそうにも思えます。
 東京湾を襲う最大級津波のシュミレーションについて知りたいところです……

2012/11/26

ここは、中防ですよ!──中央防波堤埋立処分場

【東京都】──「ベイエリアウォーク ⑧」
2012.11.26 にアップしました。

 ここは「東京23区から出されるゴミの最終埋立処分場」とされるため、23区以外はそれぞれ処分場を持つわけで、武蔵野市など多摩25市1町では、西多摩郡日の出町「二ツ塚最終処分場」を利用しています。
 今どきゴミの焼却灰は、エコセメントとして全量資源化されるため、その時点では処分されないそうです。
 拍手したいところですが、処分を先延ばしすることを「リサイクル」と表現します。
 「エコ」という響きに満足するだけでなく、少しは勉強しないといけません……

2012/11/19

Danceってスリリング!──テレコムセンター

【東京都】──「ベイエリアウォーク ⑦」 ゆりかもめを歩く:テレコムセンター
2012.11.19 にアップしました。

 偶然テレコムセンター1階ホールで「東京六大学競技ダンス選手権大会」に遭遇します。
 目にした男女ペアの「クイックステップ:飛び跳ねるような踊り」決勝では、どのペアも思い切り飛んで回るため、何度もぶつかりそうになり「危ない!」と、ヒヤヒヤする場面の連続から、スリリングな「舞い」の印象を受けます。
 映画『Shall we ダンス?』で、他の演技者に衝突しペアのドレスを破ってしまう竹中直人の事態は、現実にありそうですが、よけ方も腕の見せ所である「イキな競技?」とされると、カッコ良すぎです……  

2012/11/12

アニメキャラコスプレの聖地?──青海

【東京都】──「ベイエリアウォーク ⑥」 ゆりかもめを歩く:青海(あおみ)
2012.11.12 にアップしました。

 昼下がりの芝生でくつろぐコスプレ衆の姿に、お台場は「コスプレのリゾート地」になったのか? と……
 ヘソ出しルック=『うる星やつら』のラムちゃん、としか思い浮かばないオヤジでも、バスケットボールを抱えていれば『スラムダンク』くらい分かります(古くない?)。
 メイクもキメたグループで登場人物の気分に浸って写真を撮り合う連中が、そこら中からわいてきます。
 アニメキャラコスプレは結構「きてる」らしく、中でもお台場、有明での催しが多いため、聖地となりつつあるようです……

2012/11/05

防災拠点とは……──有明〜国際展示場正門

【東京都】──「ベイエリアウォーク ⑤」 ゆりかもめを歩く:有明〜国際展示場正門
2012.11.5 にアップしました。

 全国各地のナンバープレートをつけた消防車が並ぶ様子に「何事?」と思うも、翌日開催の「全国消防操法大会」に集結したもので、前日練習が行われています。
  消防団の大会なので、皆さん別の仕事を持つ方々のボランティア活動ですが、大震災では任務により亡くなられた方が多くいました。
  震災後初めての大会で「全国47都道府県揃い踏み!」のうたい文句には、全国消防団の心意気が込められていると感じます……

2012/10/28

工場跡地再開発の困難さ──豊洲〜有明

【東京都】──「ベイエリアウォーク ④」 ゆりかもめを歩く:豊洲〜有明
2012.10.28 にアップしました。

 築地市場の移転予定地で環境基準を大幅に超える有毒物質が検出され、騒がれたのがこの地になります(以前は東京ガスの工場)。
 大規模な土壌入れ替えをやる・やらないの紆余曲折は、都議会の勢力交替もあり、移転計画は大幅に遅れています。
 ほど近くに2012年オープンの、オートキャンプ場・バーベキュー施設は、アクセスがいいこともあり週末はにぎわっています。
 空は広いも星は少ない場所柄なので、楽しみは夜景なのでしょうが、有毒物質の飛散は大丈夫なのかと……

2012/10/19

「日本最古の石」自慢──飛水峡

【岐阜県】──「飛騨の道 ⑤」
2012.10.19にアップしました。

 今回の旅行で印象に残ったのは、食べ物のおいしさです!
 山のものにあまり関心が向がず期待薄でしたが、一帯はおばちゃんたちに大人気の「メジャー観光地」ですから、手を抜けないのだと思います。
 雪深い冬の間に根気が養われるのか、性分として「手を抜くということができない人々ではないか?」と感じます。
 そんな人たちの持てなしに感激し、しかと気持ちを受け止めたことを、感謝の言葉として表すべきと思います。

 とても「おいしい時間」を、ありがとうございました!

2012/10/14

府県よりも広い高山市──高山、下呂

【岐阜県】──「飛騨の道 ④」
2012.10.14 にアップしました。

 高山は飛騨山脈の北側に位置するため(太平洋と日本海の分水界の日本海側)、おのずと富山県側との経済・文化交流が盛んになります。
  その土地柄の良さを感じたのが、新米のおいしさです。
 水のいい富山・岐阜のお米を食する地域なので、地産地消のプリップリ感に「うまっ!」と、目が飛び出るような至福感が味わえます。現地で是非!
 古い町並みを生かそうとするさまざまな工夫を目にしましたが、もしここに暮らしたら「こんな玄関にしたい」と思った光景です。
  このツタの伸び方は、イメージしなければ誘導できません。
 今年はうまくいったのでしょうか? 「ベスト玄関賞」です……  

2012/10/10

鉱山開発の功と罪──神岡、古川

【岐阜県】──「飛騨の道 ③」
2012.10.10 にアップしました。

 実物の見学はできずとも、スーパーカミオカンデがどんな場所にあるのか一度訪れたいと思っていました。
  その施設は、旧神岡鉱山内に東京大学宇宙線研究所が建設したニュートリノ検出装置で、1987年世界で初めてニュートリノを検出し、その功績により2002年小柴先生はノーベル物理学賞を受賞します。
 鉱山開発時点では、金・銀・銅が関心を集めますが、取り尽くした後に、まだ亜鉛・鉛があると開発を進める過程で、公害問題を起こすことになります。
  目の前は日本海側に流れ込む神通川で、下流域にカドミウムが原因の富山「イタイイタイ病」とされる大規模な公害病を引き起こしました……(写真は古川の酒蔵)

2012/10/07

世界遺産の力──五箇山、白川郷

【岐阜県】──「飛騨の道 ②」
2012.10.7 にアップしました。

 白川郷のにぎわいは「さすがメジャー級世界遺産!」と驚きます。
 この夜、宿で一緒になったご夫婦に「集落内に駐車場は?」とたずねられ、同じ思いだった自分の意識変化を伝えました。
  集落内の駐車場を探すつもりで、集落に入る直前の信号で停止します。
  停車中に集落外の駐車場に誘導する看板と、集落の雰囲気を目にし、場の空気を感じたのでしょう、信号が変わってから慌ててウインカーを出し集落外へ向かいます。
  それが正解であることを、集落内を歩く側となって納得します。
 「ここを車が走るのはイヤだなぁ」と……

2012/10/03

Last Frontier 岐阜県──関、郡上八幡

【岐阜県】──「飛騨の道 ①」
2012.10.3 にアップしました。

 岐阜県の皆さま、ご挨拶が遅くなりました。
 海や島好きなので、海に面していない土地は敬遠がちで、以前から「あれ、岐阜県だけ歩いてないかも?」と思いつつも、ようやく47都道府県最後の「未踏の地」に立ちました。岐阜羽島の地です……
 新幹線岐阜羽島駅の第一印象は、1970年日本万国博覧会(大阪万博)へ向かう際、ひかり号の通過待ちの間に眺めた田園風景に「何で田んぼの中に駅があるのか?」というものです(当時は最寄りの新横浜駅もこだましか停車せず、周囲は田んぼでした)。
 現在ではだいぶ町らしい姿に見えますが、岐阜羽島駅に降り立つとは想像したことありませんでした。だって、用事ないんですもの……

2012/09/23

Port of TOKYO──豊洲、晴海

【東京都】──「ベイエリアウォーク ③」
2012.9.23 にアップしました。

 晴海客船ターミナルは1991年にオープンしますが、93年開通予定のレインボーブリッジによる高さ制限のため、クイーンエリザベスなど巨大客船が寄港できないことを念頭に建設された、お飾り的な客船ターミナルになります。
 ですがメインラウンジからの「前面に東京港が広がり、その上にレインボーブリッジが架かる絵」は、こんな景色が見られる施設を作りたかった意図が明確に伝わり、施設の英語表記「Port of TOKYO」をスーッと納得させる光景として存在します。
 夜景はキレイだろうと調べれば、横浜に負けず「夜景に酔っちゃった…」という光景のようです……(写真は豊洲)
 

2012/09/17

空がひろっ──葛西臨海公園

【東京都】──「ベイエリアウォーク ②」
2012.9.17 にアップしました。

 細かいミストが立ちこめる中にうごめく陰が見えます。中心部に座り込み、両手を頭上で組み瞑想か修行をしているように見え、「レインボーマン」でもいるのか? と目を凝らします。
 少年がひとりで遊ぶ姿は、はしゃぐものではなく「儀式」を行うようなゆったりとした動作で、ミストの中を動き回ります。
 思い起こせばガキ時分に、勝手な思い込みの結界を周囲に想定し、その内側(自分の領域)で何かやっていた記憶がよみがえります。
 あれが「自我の目覚め」だったのか? と、彼を見て思ったりします……

2012/09/10

京都の香りを求めて──江戸東京博物館

【東京都】
2012.9.10 にアップしました。

 この日は江戸東京博物館「二条城展」の見学です。
 京都二条城では、鴬張りの廊下(キュッキュッと鶯の鳴き声のように鳴る)は歩けても、室内には入れません。
 しかし近くで目にできても横並びの展示では、今度は部屋の雰囲気が感じられません。
 主催者側も「そんな要望があろうかと!」VR(バーチャルリアリティ)の映像を見せてくれます。
 その映像では、周囲に展示される襖に囲まれた本来の空間配置(天井も含めて)が見て取れるので、立体的なイメージが膨らみます。
 現物+バーチャルリアリティの展示は、双方に対する想像力を喚起する面でとても素晴らしい相乗効果と感心させられます……

2012/09/03

Bay Area Walk ! ──東京ゲートブリッジ

【東京都】──「ベイエリアウォーク ①」
2012.9.3 にアップしました。

 前回のラストで海と再会した際、次は気になっていたゲートブリッジを歩こうと決めました。それを機に少しベイエリアを歩こうと思います。
 現在暮らす田町もベイエリアと感じるのは、風の穏やかな猛暑日でも駅前2階テラスの喫煙所で、海側からそよそよと流れる風を意識する瞬間です(汗は引かないが心地いい)。
 それは海からの湿気が含まれた風で、かなり想像力は必要ですが、海岸の木陰で感じる印象に近いので、都会でも「海辺の空気の流れ」を実感できます。
 その心地よさに、すっかりベイエリアの住人気分だったりします……

2012/08/27

Portrait of The Tower──浜松町〜田町

【東京都】──「山手線を歩く! 32」
2012.8.27 にアップしました。

 東京スカイツリー開業から、影が薄くなった印象のある東京タワーですが、夏休み日曜日の人気は健在で、バス添乗員の説明では「最上階の特別展望台のエレベーターは、何と2時間待ち!」、地上でも行列が伸びています。
 海外からの観光客に東京で人気なのは「浅草&ツリー」と思うも、ツアーでは行列する時間が無いため、あきらめざるを得なかったことでしょう。
 それで仕方なく「皇居&タワー」だったりするのか?
 国民も「ほとぼりが冷めるまで…」の状況は、旅行会社側も説明しているとは思いますが……

2012/08/20

小規模店がサラリーマンの味方──新橋〜浜松町

【東京都】──「山手線を歩く! 31」
2012.8.20 にアップしました。

 新橋駅周辺が「サラリーマンの聖地」的に扱われるのは、大規模な再開発は到底できないほど細分化された地権者たちが、身の丈にあった商売を続ける成果、とも感じられます。
 汐留地区の再開発や、イタリア街が誕生しようが(どちらもピンと来ません)、軸のぶれない商売スタンスが、オヤジたちをあたたかく迎え入れてくれます……

2012/08/13

五輪から受けた「オレたちにはできる!」勇気、
その足を引っ張る政治家たち──有楽町〜新橋

【東京都】──「山手線を歩く! 30」
2012.8.13 にアップしました。

 ロンドンオリンピックの日本選手団が、メダル獲得数ではこれまで最高の成績を残しました。
 日本国民であればその理由に「復興」「絆」と出てくるでしょうし、根本には「自分の存在確認:アイデンティティ探し」が、選手同様に応援側にも存在するため、強力な磁力のような「目に見えない力」が、選手たちを後押ししたのでしょう。
 そのきっかけはもちろん、大震災・原発事故を経験した「不安感」以外にありません……

2012/08/06

猛暑日はビル風大歓迎!──東京〜有楽町

【東京都】──「山手線を歩く! 29」
2012.8.6 にアップしました。

 有楽町駅交通会館側は市街地再開発事業により、以前あった有楽シネマ、レバンテ、よく通った喫茶店を含む一帯は、有楽町イトシア(複合商業施設)に生まれ変わりました。
 確かに若者向けの集客力が高い商業施設になりましたが、歴史や文化と「個性」が失われてしまった思いが強く残ります。
 オヤジが相手では家賃を払えないという現実的な声は、「マルっと」納得できるのでさみしく感じます……
(右写真は、東京国際フォーラム)

2012/07/30

経済の中心地、再生の季節──東京駅周辺

【東京都】──「山手線を歩く! 28」
2012.7.30 にアップしました。

 ここは「エドジョー」天守跡Topにあるベンチで、海外からの観光客が占領する様子には「城はないのか?」と落胆の表情がうかがえます。
 外国人労働者の多い六本木とは違い、グループ単位(団体ではなく家族・友人の集団)の小波が途切れなく押し寄せるような、明治神宮に似た観光スポットで、洋の東西を問わず、外国人の密度が高い印象を受けました。
 日曜の訪問場所が限定されるのならば、そこに新らしい提案ができればビジネスチャンスが見つかるかも知れません……

2012/07/23

締め付けに負けぬたくましき下町──神田〜東京

【東京都】──「山手線を歩く! 27」
2012.7.23 にアップしました。

 人形町周辺は江戸末期「天保の改革」の綱紀粛正で、風俗取締りが強まり活気を失いますが、明治に入り芸妓の置屋・お茶屋が多数集まり付近の芳町は、柳町、新橋と並ぶ花街とされます。
 現在、メインストリートからいく筋先までも点在する飲食店の商売には、相当数の人出が見込まれています。
 想起したのは場所も近い門前仲町や森下の満足感で、きっとこの地も都心と違いうまいモノを安く提供し、価値ある満足感から「気軽さ」を演出しているのでしょう……

2012/07/16

Hill Topを目指す精神──秋葉原〜神田

【東京都】──「山手線を歩く! 26」
2012.7.16 にアップしました。

 教会には町のシンボルとなるべく、眺めのいい場所を目指す性格がありますが、一方の寺社では、修験道や密教など修行の場を求めるものは山の頂を目指すものの、山を背負い威厳を高めるなどさまざまで、土地柄により必ずしもHill Topを目指すものではありません。
 必ず天を見上げる信仰同様に、高みを望みながらも見上げることにこだわらない精神にも、普遍的な「祈る気持ち」が込められるなら、こだわらない「和式」の方がなじむ気がします……

2012/07/09

疑似空間の体感スポット──御徒町〜秋葉原

【東京都】──「山手線を歩く! 25」
2012.7.9 にアップしました。

 以前からコスプレ姿のビラ配りはいましたが、今どきは「コスチュームを見せたい(?)」若い娘たちが街頭にあふれており、ツクモ電機の店舗が並ぶ付近では道の両側から声を掛けてきます。「ヒマなんでしょう〜」の声も、場所を置きかえると見慣れた光景に見えてきます。
 オタク界のキザ男的な野郎が、メイドさんと話し込んでいます(道端での会話はOKのようです)。
 「オタク天国」に見えた光景も、実は「非オタク」同様で結構厳い社会に見えました……

2012/07/02

「縁」を取り持つ寺社の存在──上野〜御徒町

【東京都】──「山手線を歩く! 24」
2012.7.2 にアップしました。

 女性の前にある大きな輪は、大祓(おおはらい)神事の茅の輪(ちのわ:かやで作られた輪)です。
 6月(夏越の大祓)と12月(師走の大祓)の晦日(末日)に行われる神事で、意識なしに犯した罪穢災厄(つみけがれわざわい)を除くための行事。
 見知らぬ人たちと神社で一緒に茅の輪をくぐることには、時節を共有するような一体感があり、一期一会と思われる「時間」「空間」の共有感は、「縁」という解釈がふさわしいと感じます……

2012/06/25

祭りの季節到来!──浅草

【東京都】──「山手線を歩く! 23」
2012.6.25 にアップしました。

 合羽橋に近い矢先稲荷神社の例大祭では、子どもたちに解放される「曳太鼓」が大人気です。
 ここでは祭りの装束に「カラフルなふんどし」を着ける人が多いことに驚きます。
 赤系の目立つ色づかいが多く、♥をちりばめるオッサンもいます(そんなの撮れな〜い)。
 湯気が立つようなHOTな印象には、同性も強烈なセックスアピールと感心しますし、女性にも「真っ向勝負」のアピールは、まとを射ているのではないか? それほどあからさまなアピールです……

2012/06/18

背中から伝わってくること──鶯谷〜上野

【東京都】──「山手線を歩く! 22」
2012.6.18 にアップしました。

 擬人化しやすいフォルム(姿)と、どっしりとした落ち着きから「頼れる父親像」を思い浮かべ、親近感を覚えたゴリラの背中です。
 振り返る際も「何か用?」と上半身だけ向けるしぐさが、無愛想ながらも存在感を示す一家の大黒柱的なイメージに結びついたりします。
 ここでは見られませんが、いざというときは胸をたたく「ドラミング」で敵を威嚇する頼りがいのある姿を、「勇ましさ」や「存在感」を失いつつあるオヤジたちは、見習わねばと感じたりするかも知れません……

2012/06/11

「芸術の森」に託した願い──日暮里〜鶯谷

【東京都】──「山手線を歩く! 21」
2012.6.11 にアップしました。

 白昼の広場を舞台にして、語りで絵に関心を集め展開を期待させる力は、まさに「話術」なのでしょう。
 最初は最前列の親子だけですが、次第に周囲の大人たちが「懐かしさに呼ばれようか」と腰を下ろす方が増えていきます。
 いっときを過ごす人が増えれば、それが評価となるのですが、徐々に腰を下ろす大人が増えたのは「座りたい」だけかも知れません……

2012/06/04

イキさを感じるリサイクル──西日暮里〜日暮里

【東京都】──「山手線を歩く! ⑳」
2012.6.4 にアップしました。

 谷中地区は空襲被害を免れたため、東京の中では古い建造物が残る地域で、そんな地域遺産を活用する取り組みが広がり、この町の財産を「あるままの姿で使おうとするリサイクル指向」が感じられます。空襲で焼け残っちゃったではなく、生き残ったことを伝えていかねばという思いが、古い建物に息吹を吹き込んでいるようです。
 しょせん京都には追いつけないも、東京なりの文化を育てていこうとする姿勢こそが「粋」の原点ではないかと感じました……

2012/05/28

不便さの魅力は単なる郷愁か──田端〜西日暮里

【東京都】──「山手線を歩く! ⑲」
2012.5.28 にアップしました。

 本駒込付近にある吉祥寺の裏手から千駄木に向かいますが、至る前に道を見失いました。気付いた地点からはかなり戻らないと、隣の路地への抜け道がない地域です。
 普段は持たない地図のプリントにルートを書き込んでいても、道を失う迷路(地図にある道が無い!)に一発かまされ、気合いが入ります!
 現在も西の吉祥寺側には「車は通り抜けられません」の看板が立つ路地が迷路のように絡み合いますが(バックする車をよく目にし、歩行者側もよけてやるかの気持ちになる)、車道が整備された東の地下鉄千駄木駅側には、この地の「環境破壊?」的な立派な住宅街が広がっています……

2012/05/21

すがすがしい「サツキとメイ」のころ──駒込〜田端

【東京都】──「山手線を歩く! ⑱」
2012.5.21 にアップしました。

 タイトルはご存知のように、映画『となりのトトロ』(1988年 宮崎駿監督)主人公姉妹の5月にちなんだ名前です。
 これまでその命名には監督の「里山で農耕が盛んなころの日本人が大きな希望を抱いた、田植え時季の田園風景に主人公を立たせたかった」旨のコメントがあったと思うも(見当たらず)、現在流通する情報は、郊外に引っ越したのは「よく晴れた五月の日曜日」だけとは、何とも心がこもらない「安直なコピーの氾らん」と感じてしまいます……

2012/05/14

植物たちの彩りがまぶしい──巣鴨〜駒込

【東京都】──「山手線を歩く! ⑰」
2012.5.14 にアップしました。

 小石川植物園は好きな施設なのでよく歩くも、まだ自分には「ビジター」の感覚があります。
 植物に関する知識は無いながらも、切れ切れの記憶の断片をつなぐことができれば、一気に植物に対する関心と理解が深まるのでは? と思ったりします(それは万事に共通の命題です)。
 そのためには、この地のように多様な植物が育てられる植物園へ、季節ごとに足を運ぶ必要がありそうです。
 時間はかかりそうですが、ポチポチと積み重ねたいと思っています……

2012/05/07

暮らしを守るための選択──大塚〜巣鴨

【東京都】──「山手線を歩く! ⑯」
2012.5.7 にアップしました。

 この付近の都電荒川線沿線には「この先車両通行不可」の看板をあちこちで見かける、迷路のような路地に家屋が密集しています。散歩する側にはワンダーランド(角を曲がると何が現れるのか?)と、楽しめる町並みですが、防災の観点からは危なっかしい家並みです。
 防災道路の「再開発用地」といえ、住宅密集地の明らかな私有地でも「失敬!」と公然の通路とする場所まで、フェンスで閉め出されては途端に不便になります。
 ですが雑司ヶ谷で感じたように、見晴らしをよくすることで緊急車両(消防車など)が通れる道幅になるわけですから、行政側としては「やらねばならない」事業であるのは確かです……

2012/04/30

集客力衰えないビッグシティ──池袋〜大塚

【東京都】──「山手線を歩く! ⑮」
2012.4.30 にアップしました。

 池袋駅からサンシャイン60へ向かう「サンシャイン通り」は、以前から週末や休日にはごった返していましたが、現在も変わらぬ人出で、地下道へともぐる手前の東急ハンズや、サンシャインシティの店舗街はあきれるくらいの人出があります。
 この日イベント広場では「Cute」という女性グループの握手会があり、人だかりがありますが、原動力は各店舗の集客力であるとの印象を受けます。女性向けの店舗街なので詳細は分かりませんが、1978年オープンの施設が現在でもこの賑わいをキープするためには、きっと細やかな戦略があったことでしょう……

2012/04/23

ザワザワも似合う雑司ヶ谷──目白〜池袋

【東京都】──「山手線を歩く! ⑭」
2012.4.23 にアップしました。

 歩いてみたい思いを後押ししてくれたのが、この地を舞台にした映画『東京兄妹』(1995年 監督:市川準 出演:緒方直人、粟田麗)であり、訪問以来この地と映画双方の関心が高まり、わたしの中には「雑司ヶ谷=東京兄妹」として刻まれます。
 地下鉄副都心線建設や、都電荒川線沿いの道路整備から、防災の点でも見通しが利くようになり、周辺にも新築の建物が増えましたが、地域のつながりは健在のようで「ぬくもり」はいまも失われていないように感じられます。
 周辺にはとても好きな空気感があるので、足を踏み入れた瞬間に心身共に和める空間と感じられるのでしょう……

2012/04/16

笑顔も満開!──高田馬場〜目白

【東京都】──「山手線を歩く! ⑬」
2012.4.16 にアップしました。

 暦も上々で、春の訪れが期待できる週末ですから、結婚式場が大混雑するのは当然ですし、当人たちはもちろん出席者たちにも「いい季節に挙げたね」の印象が残ることでしょう。
 新婦は「今よ!」とばかりに「ありったけの笑顔」をカメラに向かい振りまいています。晴れの舞台という気持ちも分かりますが、ちとやり過ぎの印象も……

2012/04/09

この春は、明るくいこう!──新大久保〜高田馬場

【東京都】──「山手線を歩く! ⑫」
2012.4.9 にアップしました。

 東京でも桜の開花が発表されました(本稿アップ時は満開!)。寒かった冬や、昨年の桜には複雑な思いがあったせいか、今年の春には格別な感慨があります。
 日本人は「季節」を生きていますから、春の便りには「さぁ、これから!」と、心身共に活動期への合図と感じる面があります……

2012/04/02

甘えん坊の吹きだまり──新宿〜新大久保

【東京都】──「山手線を歩く! ⑪」
2012.4.2 にアップしました。

 オカマが男に接する際「おまえら甘えすぎ!」と感じるのは、「男は根本的に男が好き」につけ込みながらも、それを許す男に対し「女の甘え方」ですがろうとする、ずるさがあるからです。まだ男であるなら? 姑息(こそく)な手を使うな! と言いたい。
 性差の橋渡しを自認するならば、そこに性別を越えた「精神の自立」なくして社会の理解が得られないのは当然でしょう……

2012/03/26

いまでも、ウキウキウォッチング──代々木〜新宿

【東京都】──「山手線を歩く! ⑩」
2012.3.26 にアップしました。

女「アルタとか入りたかったなぁ〜」
男「抽選だし、ウキウキウォッチングに写っちゃうよ」(この表現ウケました!)
女「歩道でピースしちゃったり?」
男「写ったら、ここにいるのバレバレだぜ……」
 きっと、秘密のランデブーなんでしょうが、二人の意識の違いが分かるところがおかしい……

2012/03/19

天皇の「喝!」で動きだす国──原宿〜代々木

【東京都】──「山手線を歩く! ⑨」
2012.3.19 にアップしました。

 平成天皇は、震災から一年となる日の「大震災追悼式」への出席を目指し、心臓手術を決断しました。日本人の心に伝わったであろう英断と追悼式の言葉により、国民は「喝!」を入れられた思いがしたのではあるまいか。
 そこには「これを言わずには、死ねない!」という心中を身をもって表現した心意気と、復興の遅さにいら立つ心情が感じ取れました……

2012/03/12

メインストリートはならず者が?──渋谷〜原宿

【東京都】──「山手線を歩く! ⑧」
2012.3.12 にアップしました。

 右の女性は仲間が登る姿を応援しながら、自分なりのルート設定のイメージができていたのでしょう。壁の色が暗いオーバーハングゾーンをサクサクッと越えていきました。なるほど、彼女のようにルート設定がはまりスイスイ登れた瞬間に、クライミングの醍醐味があるようです。
 「ダメ、ダメーッ!」と騒がしいものの、周囲の男たちよりスマートに登る姿はとても格好良く見えました……

2012/03/05

学びやの丘──恵比寿〜渋谷(広尾〜青山)

【東京都】──「山手線を歩く! ⑦」
2012.3.5 にアップしました。

 現在の青山学院大学キャンパスは「再開発中」のため、サザンオールスターズのルーツだったとの思いや、彼らの曲を想起させてくれるものには何も出会えませんでした。
 「勝手にシンドバッド」(1978年)から聴いているのに、ここで「Ya Ya (あの時代を忘れない)」(第二のカレッジソングとされる)すら脳裏に流れてこない状況は、年を取っただけでなく、キャンパス内の様変わりが大きな要因と思われます……

2012/02/27

時代はノンアルコール?──目黒〜恵比寿

【東京都】──「山手線を歩く! ⑥」
2012.2.27 にアップしました。

 ビール好きの認識は「やっぱ、ここの生ビールはうまい!」ですが、以前は3店舗ほどあったビールを飲ませてくれる店が、昨夏訪問時は1店だけになっていました。
 飲料の中でもビールの価格は高いので、デフレ時代に持てはやされる発泡酒とともに「ノンアルコールでいいや」という「バーチャル派?」が増えたのかも知れません。
 若者は酒を飲まなくなったとも聞きますが、「うまい生ビール!」の求心力は弱まったのだろうか……

2012/02/20

おいしかった目黒の記憶──五反田〜目黒 ②

【東京都】──「山手線を歩く! ⑤」
2012.2.20 にアップしました。

 目黒周辺は、モニター調査に向く土地柄なのだろうか? 評判が高く人気のある店が、突然閉店する様子をしばしば見かけました。おそらく、この地で得た自信を胸に、勝負の地に向かったのでしょう。
 確かに店舗の出入りは激しいのですが、新しい店への期待感は常に保たれていた印象があります。ですが現在は「ラーメン屋が増えすぎ」でしょう……

2012/02/13

関心がなかった白金・高輪へ──五反田〜目黒 ①

【東京都】──「山手線を歩く! ④」
2012.2.13 にアップしました。

 今回は歩くにつれ、関心がどんどん山手線を外れてしまい、だいぶ内側にくい込みました。
 これまで「関係ねえや」とまるで関心の無かった白金・高輪周辺ですが、近所に越してきてアクセスがいいこともあり、歩くタイミングが訪れたという印象から足を運びました……

2012/02/06

「ついてねぇ、大崎止まりだ!」──大崎〜五反田

【東京都】──「山手線を歩く! ③」
2012.2.6 にアップしました。

 山手線には「大崎止まり」ってやつがありますが、目的地が大崎より先の場合、あなたは乗りますか? 次を待ちますか? 普段から遅刻のいい訳に使いますか?
 そんないい訳には「あなたも経験あるでしょ? わたしはさっきひどい目にあったんです」と、同情を求めるような意図が感じられ、付き合うのも面倒なので「ハイハイ」とその返答を飲み込んでしまいます……

2012/01/30

削られた山の記憶──品川〜大崎

【東京都】──「山手線を歩く! ②」
2012.1.30 にアップしました。

 現在も通りや交差点に八ツ山(やつやま)の名は残りますが、江戸時代の道路整備やすぐ南にある目黒川の洪水対策に利用するため切り崩された経緯からか、幕末のペリー来航に慌てふためいた幕府が海上の台場建設に使用したため、山どころか削りすぎてくぼ地となったそうです。
 そのため鉄道を通しやすかったのか、現在東海道線等の線路が敷かれる辺りに山があったようです……(写真は「品川アクアスタジアム」)