2021/11/28

療養と支え

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2021.11.28にアップしました。

 今回の治療(放射線照射・抗がん剤点滴)は、がん細胞と共に正常細胞も痛めつけるため、治療終了(治療しないこと)すなわち療養の始まりになります。療養では、光が差す方向へ進むにつれ、心身は明るさを取り戻すもの、と思っていたので、改善の兆しが一向に見られず、暗雲が漂う状況、では、戸惑ってしまいます。症状の重さや、回復時間 等の程度差ではなく、特定の機能(飲み込み)や症状に限られることに気づくと、次第に明るい見方ができなくなります。
 そんな時分の外見から、心身の状態を察してくれた看護師さんが、退院時にかけてくれた「あの状態から、よくぞここまで! 回復しましたねぇ〜」の言葉を、見るに忍びない姿との比較による、最大級の褒め言葉と受け止めました。そのような方々の支えのおかげで、なんとか退院までたどり着くことができたと、感謝しております……

2021/11/21

いっぱい、いっぱい……

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2021.11.21にアップしました。

 最後の抗がん剤点滴の朝、先生がベッドを訪れ、血液検査(腎機能)の結果「抗がん剤投与は可」を伝えてくれますが、こちらは「もう、いっぱい、いっぱいです……」と、ギブアップの言葉を絞り出すのがやっとでした。
 この入院では、何度も想像を超える状況・場面に遭遇し、それを乗り越えてきた、と振り返ることができますが、この時は「現状に耐えられない」上に、「目の前の山を乗り越える姿を想像できない」と感じていました。この時のわたしが求めていたのは、(首が締め付けられる)呼吸の息苦しさからの解放であるため、この辛さが1週間以上延長され、息苦しさが強まる恐れのある「抗がん剤投与」の選択は、できるものではありませんでした。当時は「就寝中に息苦しさが強くなったら…」というイメージにビビるため、睡眠導入剤を飲んでも眠れませんでした……

2021/11/15

説明できない副作用

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2021.11.15にアップしました。

 放射線治療+化学療法を5週間続けると、ベースとなる体調も治療の影響で変調してしまうため、健常時との単純な比較はできなくなります。この時分の副作用は、口の渇き、口内炎、便秘、吐き気、痛み止め効果の低下と多彩ですが、ここでの吐き気は、これまでに経験したことのないプロセスで出現します。
 忍び寄るような「これ吐き気?」「すぐにおさまるだろ」と認識するのは、停止させられたセンサーが危険信号を見逃したためで、同様に身体を守る「防衛システム」も無力化されます。そのため、防御力を備えた外部への誘導路を、抵抗を受けることなく構築されてしまいます。静かに忍び寄る吐き気に、抵抗する術はありませんが、一度出してしまえば落ち着きを取り戻せます。ですが、数日後には別の副作用が発生したかのように、食欲が失われ、食べ物が喉を通らなくなるため、その後は点滴で栄養補給することになります。
 この吐き気と食欲不振が別々に出現するような副作用は、変調した身体に起こるらしい、としか説明できません……

2021/11/07

見えない敵との戦い

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2021.11.7にアップしました。

 二回目の入院では、放射線治療(放射線照射 週5回(月〜金曜)計35回)と、化学療法(抗がん剤点滴 週1回(火曜)計7回)を並行して実施する、化学放射線療法を行います。
 手術で切除しきれなかった細胞や、目に見えない小さな細胞を死滅させるため、がん組織周辺(切除した喉頭周辺)への放射線照射と、広い範囲の再発・転移を防ぐ化学療法を組み合わせることで、高い治療効果を目指します。ですが高い効果が期待される反面、副作用も強いとされるあたりに、抗がん剤治療の厳しさが潜んでいます……