2016/08/29

五輪前に景色が変わる町──下北沢

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2016.8.29にアップしました。

 解体が進む下北沢北口駅前食品市場で、最後まで抵抗し営業する店舗は、名残りを惜しむ客でにぎわいます。
 外部の者は町の生命力と受け止める「闇市の名残り」ですが、自治体には早く除去したい目障りな存在らしく、演劇の町、古着の町、すれ違う若者の「ここはデートで来る町でしょ!」というカラーで町を整備し、古くからの怪しい勢力を一掃したいようです。
 父の実家に暮らす伯母と買い物に来た記憶や、下高井戸駅前市場もよく行ったとの話を思い出すと、前回オリンピック前に体裁を整えるためバラックが排除されたように、今度の五輪を迎えるまでに東京の景色は大きく変わりそうと……

2016/08/22

ダイダラボッチの足跡──代田

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2016.8.22にアップしました。

 世田谷区 代田の地名由来とされるダイダラボッチは、日本各地に伝わる巨人伝説で、映画『もののけ姫』のデイダラボッチは別名の一つ。国造り神話以前の自然崇拝(古代原始宗教)が起源とされ、各地の山や湖は巨人が作り、その足跡は水が涸れない肥沃な窪地になる、と伝えられます。
 駅名の由来とされる玉川上水の旧代田橋は、ダイダラボッチが架けたと伝わるも、右は巨人への捧げものではなく、駅前の居酒屋に置かれた古い防火水槽を利用した金魚水槽と、配達された食材。地味な下町風情こそ代田橋らしさとも……

2016/08/15

幼きころの記憶──羽根木

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2016.8.15にアップしました。

 付近に父の実家があるので積極的に地名は使わないも、「羽根木の森」とされる一画は地域で胸を張れそうな一画です。
 1997年にスタートした農地再開発プロジェクトで、記憶に残る大木を1本も切らず、住宅・オフィス・店舗を配置した、理想的な再開発に見えます。通りの印象は変わらないが、何かありそうな雰囲気に誘われ、「中はどうなっているの?」と、ガキ時分からの興味を押さえられず勝手に入っちゃいました。
 そこに広がる「思った通りの光景!」は、軽井沢を想起させる避暑地のようなたたずまいで、夏でも虫除け対策をすれば心地よく過ごせそうです……

2016/08/08

ふたをしたい分別盛り──下高井戸

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2016.8.8にアップしました。

 付近で暮らした学生時分、世田谷線沿いの用水路は開きょのどぶ川でしたが、現在はふたがされ歩きやすい親水施設に整備されました。
 大学周辺からよみがえる当時の記憶は、周囲に迷惑をかけた恥ずかしいものばかりで、年齢と共にネガティブな記憶を思い出すことが増え、そこだけふたをしたいと思ったりします(分別がつく年ごろの中年を「分別盛り」と表現するそうです…)。
 当時の生意気な言動を見逃してもらった経験から、若い世代に対し寛容に接するつもりも、世代間ギャップのためか時折イラッとすることがあります。その免疫は子育てから身に付くようで、経験の足りなさと……

2016/08/01

ひまわりは見るだけよ!──上北沢

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2016.8.1にアップしました。

 農地の一画に設けられた即売所から、客との弾んだ会話が聞こえます。土地を手放し狭い農地の出荷品目は限られても、手売りでの近所付き合いを楽しめるなら、適度な労働で小遣いも稼げる老後を送れますし、近隣住民にも「地産地消」による互いのメリットを浸透させることができます。
 「今度、ひまわりを分けてよ!」に対し、「ダメ〜、ひまわりは見るだけよ!」の返事は、自然の恵みを糧に生きてきた知恵なのでしょう。みんなで夏のシンボルを楽しめば、子どもの記憶に刻まれ、写真も撮れますから、共有を目指す姿勢こそ本来の「エコ」ではないかと感じます……